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神戸地方裁判所 昭和62年(ワ)1815号 判決 1992年11月19日

原告

辻川數代

ほか三名

被告

柿本壽彦

主文

一  被告は、原告辻川數代に対し、金一四三万八二二六円及びこれに対する昭和六二年一二月一六日から支払ずみまで年五分の割合による金員を、原告辻川義明、原告辻川顕志及び原告堀川貴代それぞれに対し、各金四七万九四〇八円及びこれに対する昭和六二年一二月一六日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

三  訴訟費用は、これを八分し、その七を原告らの負担とし、その余を被告の負担とする。

四  この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一原告らの請求

被告は、原告辻川數代に対し、金一〇五二万二二二九円及びこれに対する昭和六二年一二月一六日(訴状送達日の翌日)から支払ずみまで年五分の割合による金員を、原告辻川義明、原告辻川顕志及び原告堀川貴代それぞれに対し、各金三五〇万七四一〇円及びこれに対する右同日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、亡辻川克司(以下「克司」という)が交通事故により受傷したのち、死亡したため、その遺族である原告らが被告に対し自賠法三条又は民法七〇九条に基づき損害賠償を求めた事案である。

一  争いのない事実など

1(本件事故の発生)

被告は、昭和六一年三月二五日午前一一時三〇分頃、普通乗用自動車(以下「被告車両」という)を運転して、神戸市兵庫区荒田町一丁目二番二四号所在の交差点にさしかかつた際、克司運転の普通乗用自動車(以下「原告車両」という)にその後方から追突した(争いがない)。

2(克司の受傷と治療経過)

克司は、本件事故の結果、昭和六一年三月二五日、中井病院において、頚椎捻挫の傷害を受けたの診断を受けたが、頚部痛や右手指(第一、二指)のしびれのほか、右上腕のだるさ、気分不良、視力低下等のの症状を訴え、次のとおり入通院して治療を受けた(甲三ないし七号証、八号証の一ないし一二、一九号証、乙九ないし一二号証、二四号証、証人島崎和久(当時の神戸大学医学部付属病院の整形外科医師)の証言(以下「島崎証言」と省略する)及び克司本人の供述)。

(一)  中井病院

昭和六一年三月二五日から同年四月一日まで通院(実日数五日)

同月二日から同月一二日まで入院(一一日)

同月一三日から同月二一日まで通院(実日数六日)

同月二二日から同年五月一七日まで入院(二六日)

同月一八日から昭和六二年四月一一日まで通院(実日数二四八日)

(二)  神戸大学医学部付属病院整形外科

昭和六二年一月一二日から同年二月二四日まで通院(実日数九日)

同月二五日から同年三月二一日まで入院(二五日)

(なお、同年三月三日に頚椎前方固定術施行)

同月二二日以降も通院

3(後遺症害)

そして、克司は、昭和六三年五月二三日、神戸大学医学部付属病院において、右手知覚障害及び頚椎の運動障害を残すものとして症状固定の診断がされ(甲一九号証)、その後、自賠責保険上、自賠法施行令後遺障害別等級表の一一級七号に該当するとの認定を受けた(争いがない)。

4(被告の責任)

被告は、本件事故当時、被告車両を自己のために運行の用に供していたものであり、本件事故はその運行によつて生じたものであるから、自賠法三条に基づき、克司の被つた損害を賠償すべき責任がある(乙一三号証、被告本人の供述、弁論の全趣旨)。

5(損害の填補)

克司は、本件事故に関し、これまでに次のとおり合計一〇三三万九八七六円を損害の填補として受領している(争いがない。)。

(一)  自賠責保険金(後遺障害分を含めて) 四三六万円

(二)  被告が克司に支払つた損害金 五万円

(三)  被告が中井病院に支払つた治療費 一万円

(四)  健康保険法による傷病手当金等 五九一万九八七六円

なお、右のうち、治療費として、中井病院分として合計九七万四七五三円、宮川接骨院分として一一万六三四二円が含まれている(争いがない)。

6(克司の死亡と原告らの相続)

克司は、平成三年六月二七日死亡したため、相続により、原告辻川數代が克司の妻として二分の一の割合で、また、原告辻川義明、同辻川顕志及び同堀川貴代がいずれもその子として各六分の一の割合で、克司が有していた地位をそれぞれ承継した(争いがない)。

二  主たる争点

1  本件事故の寄与の割合について

被告は、克司の受傷及びその後の症状に対する本件事故の寄与の程度を争い、被告車両が原告車両に衝突した際の衝撃が小さいことから、克司が本件事故によつて前記のような入通院治療を要するだけの傷害を受けたものとは考えられないと主張し、また、克司は昭和五七年頃に脳溢血で倒れており、その後もその後遺症として右抹消のしびれを訴えていたから、前記右手知覚障害もこれによるところが大きいものということができるし、さらに、克司の症状には心因的要素の関与が考えられるから、これらを考慮すると、本件事故が寄与した割合はせいぜい二割ないし三割程度であると主張する。

2  克司の収入について

原告らは、本件事故前、克司はいずれも代表取締役を勤める関東興産株式会社及び神戸畜産株式会社からそれぞれ月額二五万円の給与の支給を受けていたから、克司の休業損害及び逸失利益を算定するに当たつては、克司の年収を右の合計額六〇〇万円として計算すべきである旨主張するのに対し、被告は、原告ら主張の右給与はいわゆる役員報酬であつて労働の対価ではないから、克司の休業等によつて損害が発生する余地はないと主張し、さらに、両会社はいずれも昭和六〇年頃までの間は休眠状態にあつたものであり、本件事故当時、右のような額の役員報酬を支払えるような経営状態にはなかつたから、本件において、原告ら主張のような年収を基礎として算定することはできない旨主張する。

第三当裁判所の判断

一  本件事故後の克司の症状と治療経過について

前記「争いのない事実など」に記載した事実と証拠(甲三ないし七号証、八号証の一ないし一二、一九ないし二二号証、乙一号証、八ないし一二号証、二四号証、検乙一号証の一ないし五、島崎証言、克司及び被告本人の各供述)によると、次の事実を認めることができ、この認定に反する証拠はない。

1  克司(昭和一一年一一月二五日生)は、前記のとおり本件事故に遭い、追突時の衝撃は大きなものではなかつたが(原告車両及び被告車両とも小破)、右折中であつたため顔を右に向けていた状態での事故であつた。そして、克司は、降車したのち、被告との間で事故の取扱い等について話をしているうち気分が悪くなり、後頚部の重たさや目のかすみなどを訴えたため、本件事故当日、中井病院に通院して頚推捻挫と診断された。

2  克司は、諸検査の上では格別の異常所見がみられず、引き続き通院して、牽引、投薬等の治療を受けたものの、気分の不良、頚部痛、右手指(第一、二指)のしびれ等の症状が改善されなかつたため、昭和六一年四月二日から同病院に入院して治療を受けた。

3  克司は、その後いつたん症状が良くなつたので退院して通院することになつたが、同月二二日から同年五月一七日までの間再び入院して治療を受け、さらにその後も通院して治療を受けた。そして、同年一〇月一八日には、レントゲン検査の結果、第五―第六頚椎部に椎間板の狭小化と不安定性、生理的前弯の減少がみられるとの診断がされた。

なお、克司は、この間の入院中において、仕事のために度々外出して外泊することがあつた。

4  克司は、中井病院における右のような治療によつても症状の改善がはかばかしくなかつたため、昭和六二年一月一二日から神戸大学医学部付属病院へ通院して治療を受けるようになり、島崎医師によつて、第五―第六頚椎の椎間板ヘルニアと診断され、同年二月二五日から同年三月二一日までの間入院し、同月三日、頚椎前方固定術・ヘルニア摘出術を受けた結果、その後は右手指のしびれがやや軽減し、右手指に力が入りやすくなつた。

5  克司は、右の手術後神戸大学医学部付属病院を退院して通院治療を受けたが、同年五月一六日には、薬を飲み過ぎて意識朦朧状態となり救急車で同病院に運ばれるというようなことが起こるなど、その前後の治療期間において、仕事上の精神的負担(ビジネスホテル開業の資金繰り問題や会社の経営不振がもたらす焦燥感など)が心因的要素として克司の症状に関与していることが指摘され、同病院神経科に入院して治療を受けた。

6  その後、克司は、昭和六三年五月二三日、島崎医師によつて、頚椎の運動制限(前屈四〇度、後屈四〇度、右屈三〇度、左屈三〇度、右回旋四〇度、左回旋五〇度)及び右手知覚障害の後遺障害を残して、症状固定と診断された。

二  本件事故の寄与の有無と割合について

1  以上に認定した事実関係と鑑定結果を総合して考えると、克司は、本件事故を契機として、その後頚部痛と右手指のしびれ等の症状を訴えるようになつたものであり、克司は、本件事故によつて、頚椎捻挫の傷害を負い、そのために右のような症状が生ずるに至つたと認めざるを得ないものである。

この点について、被告は、被告の供述する被告車両の衝突時の速度、両車両の損傷状況及びこれらを基にして計算した自動車工学上の鑑定書(乙一七号証)を援用して、本件事故の衝撃程度について無傷範囲内のものであつた旨主張するのであるが、前記認定のような克司の事故当時の運転姿勢、症状の発現経緯と治療経過等に照らすと、克司において特に詐病を用いていたことを窺わせるに足りるような事情の認められない本件においては、被告指摘の右の証拠だけから、直ちに、本件事故が克司の右の受傷を生じさせるものではなかつたとすることはできないといわなければならない。

2  したがつて、本件事故と克司の受傷及びその後の症状との間に相当因果関係があることは否定し得ないものであるが、次に述べるような克司の既往症と心因的要素の存在に加え、鑑定結果が「既往症である脳出血と片まひが克司の右手のしびれについて因果関係を有するものと考えられる。さらに、心因的要素の関与から本件事故と克司の傷病との間の相当因果関係の裁定に際しては割合的認定が妥当である」としていることにかんがみると、本件事故と克司の症状との間の相当因果関係については割合的な認定をするのが相当というべきである。すなわち、

(一) まず、証拠(乙一一号証及び一二号証(いずれも看護日誌部分)、二五号証、島崎証言、鑑定結果及び克司本人の供述)によると、克司は、昭和五七年頃、脳溢血で倒れ、中井病院等で治療を受けたが、その後しばらくの間後遺症として右抹消のしびれが続いたこと、そして、克司は、そのため、同年三月から昭和五八年三月までの間、脳出血、高血圧、右片まひ及び冠不全を理由として傷病手当金を受領していたことが認められ、この認定に反する証拠はない。

そして、この既往性と本件事故との近接の程度、症状の類似性に加え、島崎証言及び鑑定結果を併せて検討すると、右既往症が克司の右手指のしびれの症状について寄与したことは否定し得ないものといわなければならない。

(二) また、神戸大学医学部付属病院における治療中に克司が仕事上の精神的負担から相当な焦燥感を抱き、その症状について島崎医師により心因的要素が関与していることが指摘され、同病院神経科で治療を受けたことは先に認定したところであり、また、前記のような克司の症状の長期化と島崎証言及び鑑定結果を総合して考えると、右の心因的要素が克司の前記症状の存続について寄与したこともまた否定し得ないところである。

(三) なお、克司には、前記認定のとおり頚椎椎間板ヘルニアがみられたが、証拠(島崎証言及び鑑定結果)によると、克司の症状の主たる原因については椎間板ヘルニア以外の他の病因に求めるべきであるとされていることが認められるから、これが克司の症状に対して寄与したものとは認め難いものである。

3  以上に述べたところを総合すると、本件においては、克司の前記既往症及び心因的要素の関与を無視し得ないものであるから、本件事故が克司の前記症状に寄与した割合については、これを五割と認めるのが相当である。

したがつて、以下で認定する克司に生じた損害については、その五割を控除すべきものといわなければならない。

三  原告らの損害

1  治療費 合計一一八万九一三五円

克司が本件事故後中井病院のほか、宮川接骨院にそれぞれ入通院して治療を受け、そのための治療費として合計一〇九万一〇九五円を要したことは当事者間に争いがなく、また、証拠(甲八号証の一)によると、神戸大学医学部付属病院における治療費として九万八〇四〇円を支出したことが認められるところ、これまでに認定、説示したところによると、右の治療費はいずれも克司の傷病の治療のために必要なものであつたということができるから、これを本件事故と相当因果関係のある損害と認めることができる。

2  入院雑費 六万二〇〇〇円

克司は、中井病院に合計三七日間、神戸大学医学部付属病院整形外科に二五日間入院していたことは前記認定のとおりであるところ、その間の入院雑費としては一日当たり一〇〇〇円をもつて相当と認めるべきであるから、これを合計すると六万二〇〇〇円となる。

3  休業損害 八一五万四〇八〇円

(一) 克司の年収について

まず、本件事故前の克司の年収について検討する。

原告らは、本件事故前の克司の収入につき、克司は関東興産株式会社及び神戸畜産株式会社の代表取締役として両会社から月額各二五万円の給与を得ていた旨主張し、克司本人の供述及び原告ら提出の甲一〇、一二号証にはこれに沿う部分が存在する。

しかしながら、証拠(乙一五、一六号証、一八ないし二三号証、克司本人の供述)によると、両会社はいずれも昭和六〇年に会社継続とされるまではいわゆる休眠状態にあつたこと、克司は、ビジネスホテル開業のために両会社を再興し、同ホテルの経営には関東興産が当たることとし、多額の借入れをしたこと、関東興産は昭和六一年一〇月頃から右ホテルの建築を開始し、昭和六二年九月にはオープンとなつたが、資金繰りがうまくいかず、昭和六三年一月には会社更生の申立てをするに至つたこと、そして、関東興産は、昭和六〇年度及び六一年度ともに赤字経営であり、決算報告書上は、克司に対して役員報酬手当として昭和六〇年度に一〇〇万円、昭和六一年度に一二五万円が支払われたとのみ記載されていることが認められ、この認定に反する証拠はない。

これらの事実によつて認められる両会社の経営状態等に照らすと、原告らの主張に沿う前記各証拠は直ちには採用し難しいものといわざるを得ないのであつて、本件事故前の克司の年収を六〇〇万円とする原告らの主張はその前提を欠くものである。

もつとも、右の認定事実に克司本人の供述を総合して考えると、克司は、昭和六〇年七月頃から神戸畜産の店舗で食肉業を営んでいたほか、関東興産によるホテルの建設と開業をなし得るだけの事業活動をしていたことが認められ、また、関東興産から克司に対して支払われた金員は、前記決算報告書上は役員報酬手当として記載されてはいるものの、同社の規模や再興の経緯からすると、労働の対価としての性格が強かつたものと推認し得るのであつて、これらの事情からすると、克司においても、その労働によつて、同人とほぼ同学歴、同年齢の男子労働者の平均賃金程度の収入を上げる蓋然性はあつたと解するのが相当である。

そして、克司は、本件事故当時四九歳(昭和一一年一一月二五日生)であつたところ、昭和六一年度賃金センサス第一巻第一表産業計企業規模計男子労働者の学歴計四五歳―四九歳の平均賃金は年額五五五万九六〇〇〇円であるから、克司の年収はこれによるべきものである。

(二) 休業を要する期間と程度について

原告らは、克司の休業期間については本件事故当日の昭和六一年三月二五日から二〇箇月後の昭和六二年一一月二五日までの分を請求している。

そこで検討するに、これまでに認定、説示した克司の症状、入通院及び治療の経過と仕事の内容等によると、本件事故後から神戸大学医学部付属病院を退院した昭和六二年三月末頃までの一年間については、克司は休業を余儀なくされたというべきであるが、その後から昭和六二年一一月末頃までの八箇月の期間については、前記のとおり克司は同病院に通院しながらも前記ホテル開業等に向けての仕事に当たつていたのであるから、この期間における十分な就労ができなかつた割合というのは七割程度とみるのが相当であり、この限度をもつて休業損害とすべきである。

(三) 以上にしたがつて、原告ら主張の期間中における克司の休業損害を計算すると、次の算式により、合計八一五万四〇八〇円となる。

五五五万九六〇〇(円)+五五五万九六〇〇(円)×〇・七×八÷一二

4  後遺障害に基づく逸失利益 一二八二万七四四二円

克司が本件事故による後遺障害として一一級の認定を受けていたことは前記のとおりであり、克司は右後遺障害によつて二〇パーセントの労働能力を喪失したというべきところ、この労働能力の喪失は前記症状固定時(五一歳)から六七歳までの一六年間継続したものと推認されるから、前記判示の克司の年収額を基礎として新ホフマン係数を用いて中間利息を控除して逸失利益の現価を計算すると、次の算式により、一二八二万七四四二円となる。

五五五万九六〇〇(円)×〇・二×一一・五三六三

5  慰謝料 合計三六〇万円

まず、受傷による入通院慰謝料としては、前記認定のような傷害の部位や程度及び入通院の期間、治療経過等を総合勘案すると、一八〇万円が相当であり、また、後遺障害に基づく慰謝料としては、前記後遺障害の部位や程度等を勘案すると、一八〇万円が相当である。

6  本件事故の寄与の割合

以上の損害額を合計すると、二五八三万二六五七円となるが、前記二の3のとおり本件事故の寄与した割合はこれを五割とみるべきであるから、その五割を右の額から減額すると、一二九一万六三二八円となる(以下では一円未満切捨て)。

7  損益相殺

そして、克司がこれまでに本件事故の損害の填補として合計一〇三三万九八七六円を受領したことは前記のとおりであるから、これを控除すると、二五七万六四五二円となる。

8  原告らの相続

克司の死亡の結果、原告らが相続により克司において被告に対して有していた右損害賠償請求権を法定相続割合に従つて承継したことは前記のとおりであるから、これによると、原告辻川數代が一二八万八二二六円、原告辻川義明、原告辻川顕志及び原告堀川貴代がそれぞれ四二万九四〇八円となる。

9  弁護士費用

右認容額と本件事案の内容、審理経過等に照らすと、本件交通事故と相当因果関係があるとして賠償を求め得る弁護士費用の額は、原告辻川數代につき一五万円、その余の原告らにつき各五万円と認めるのが相当である。

四  結び

以上によると、原告らの本訴請求は、原告辻川數代につき金一四三万八二二六円及びこれに対する本件訴状送達日の翌日であることが明らかな昭和六二年一二月一六日から支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で、また、原告辻川義明、原告辻川顕志及び原告堀川貴代につき、いずれも金四七万九四〇八円及びこれに対する右同日から支払ずみまで右同様の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度でそれぞれ理由があるからこれを認容し、その余はいずれも失当であるから棄却することとし、訴訟費用の負担については民事訴訟法八九条、九二条、九三条を、仮執行宣言については同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 安浪亮介)

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